原発被災地から学ぶ「命」と「希望」、そして次世代への責任
2025年8月、ミス・ワールド・ジャパン2025のファイナリストたちが、福島県双葉郡富岡町・双葉町・浪江町を訪問し、原発事故と震災からの復興現場を視察しました。
社会課題に向き合う“Beauty with a Purpose”を掲げる彼女たちにとって、この2日間の体験は、決して忘れることのできない「命の授業」となりました。
なぜ、原発被災地を訪れたのか
ミス・ワールドの活動は、外見の美しさを競うだけのものではありません。
その本質は、“Beauty with a Purpose(目的ある美)”という理念にあります。
つまり、社会と向き合い、他者のために行動する意志と姿勢こそが、真の美しさであるという信念です。
今回の福島視察は、そうした理念を具体的に体験するためのアクションとして実施されました。
視察スケジュールと訪問内容
1日目
- 07:00|東京・新大手町ビル出発
朝早くから出発し、福島・浜通りエリアへバスで移動。 - 10:00-11:30|とみおかアーカイブ・ミュージアム / CLADS(国際共同研究センター)見学
原発事故や震災の記録、町民の証言映像、廃炉研究の現状を通じて、富岡町の歩みと再生の挑戦を学ぶ。 - 11:45-12:45|ランチ@富岡ホテル
- 13:30-16:30|福島第一原発構内(1F)視察(東京電力 廃炉資料館より同行)
ヘルメットと防護装備を着用し、実際の廃炉現場に立ち入った貴重な体験。
事故から十数年を経ても続く作業、現場の緊張感と技術者の責任感に触れる。 - 17:15|ホテル蓬人館 チェックイン・夕食・振り返り
2日目
- 09:15-09:45|絶景ブランコ体験@富岡漁港
震災後に整備された観光資源。「希望の象徴」としてSNSでも話題のスポット。 - 10:00-10:45|植樹活動@夜の森
帰還困難区域にて植樹体験。再生のシンボルとして「緑をつなぐ」意義を全員で実感。 - 10:50-11:45|ヨノモリバウム見学@夜の森
帰還エリアで生まれた新規事業の見学。地域の未来を創る人々の挑戦に感動。 - 12:00-12:50|ランチ@富岡ホテル
- 13:00-14:00|株式会社 宮田運輸訪問@富岡町
被災地で雇用を生み続ける地元企業。SDGs経営と地域貢献の取り組みを学ぶ。 - 14:30-15:30|浅野撚糸 株式会社 視察@双葉町
ゼロから地域に根づく産業を復興させた企業の現場へ。
「ラグジュアリータオル」で有名な“フェイラー再生”の話に出場者も熱心に耳を傾ける。 - 15:45-16:15|道の駅なみえ訪問(自由視察)
地元の食材や工芸品に触れながら、地域再生の“今”を体感。 - 19:30頃|東京駅 丸ビル前 着(解散)
2日間の学びを胸に、それぞれの目的ある美を磨く旅へと戻っていった。
ファイナリストの声:見て、感じて、変わった自分
視察を終えたファイナリストたちは、SNSや振り返りで口々にこう語った。
復興のために命をかけて行動する方々を目の当たりにし、「他者のために尽くすことの美しさ」を実感しました。その姿に触れ、福島も日本も必ず原発事故を乗り越え、未来へ歩めると強く感じました。
最初は何もなかった花壇が、植え終えると色とりどりの花で明るく彩られました。これから花々が成長し、福島の魅力のひとつとなっていくのが楽しみです。
この経験は、ミス・ワールドという大会のためだけでなく、彼女たちの人生そのものに深く根を張る経験となりました。
地域と共に、“再生の物語”をつむぐ
受け入れてくださった富岡町・双葉町・浪江町の皆さま、行政職員、企業関係者の方々のご協力に、心からの感謝を申し上げます。
未来のリーダーたちは、被災地の声を、これから出会う人々へと“橋渡し”していきます。
実行委員コメント
「“美”の定義を広げるというミス・ワールドの使命において、この富岡町視察は非常に大きな意味を持ちます。
参加者は、社会課題に“出会い”“考え”“動き出す”きっかけを得たことでしょう。」
ー ミス・ワールド・ジャパン実行委員会
SNS発信まとめ
出場者による現地レポート・振り返りは、各種SNSにて公開中。
ハッシュタグ「#富岡町視察」「#ミスワールド2025」で、リアルな声をご覧いただけます。
関連リンク
最後に——“行動する美しさ”こそ、本物
震災から14年。
“忘れない”ことと“行動する”ことの違いを、彼女たちはこの地で体得しました。それぞれが歩む道の先に、「誰かの希望となる一歩」が芽吹くことを信じて。
ミス・ワールド・ジャパン2025は、これからも目的ある美の実現に向けて歩み続けます。